概要
自殺願望のある高校生、志賀 銑がとある少女と出会い2人で自殺行為をするまでの数日間を描いた物語。吉里吉里2で制作された選択分岐型のノベルゲームである。ノベルゲームなので、選択することで結末が変わる(←というのは当然なのだがノベル系の紹介には絶対につきものである)。
レビュー |
ゲームバランス | ★★★★☆ | 総合ランク | B |
操作性 | ★★★☆☆ |
ストーリー性 | ★★★★☆ |
やりこみ度 | ★★★☆☆ |
肯定
- 話の内容自体は(自殺ネタなので)よくないストーリーではあるが、話そのもののまとめはきっちりしている。この手のノベルなので基本的にはかまいたち方式の画面全体にテキスト・及び立ち絵、セリフウィンドウ方式の両方を混ぜているが、どちらかといえば小説に近く一つひとつを細かく文章で描写している。あまり長すぎないが、選択肢の分岐が充実しているため物語自体をしっかり味わえる内容と言えよう。とはいえ、自殺がテーマなので味わっても心象的には決して明るい気分にはなれないのは当然である。
- 小説らしい、ミになる要素。ネタバレになりかねないので堂々と書くわけにはいかないが、生真面目な補足も含まれている。公開から1年経っているが、現在でも作者が自身のHP等で全体的に堅い感じの自己評価を書いているが、えんどう的には読み手がちゃんと読めば実は深イイんじゃないのかなぁ・・・なんて思ってしまう作品である。
賛否
- いわゆる仕様の可能性もあるので、これはプラスマイナスとしないが、タイトル画面でのマウス操作で若干気になること。「えんどうの低スペックPCだから」等々の理由はあるとは思うのだが、何となくタイトルでの挙動が気になった。吉里吉里2固有のメニューバー操作でどうにでもなるので、「つづきから」の画面で表示が見えなくとも特に気にはならないが。
- グロ表現ありという強調の割に、そこまでグロくはなかったかな。ネタバレになりかねないのであまり言えないけど、あるシーンでの心理的表現が某ツンツン頭を彷彿とさせられるのは私だけでしょうか。もっとも、とある教室のあのグロ生物だったり先生の豹変だったり、世間にはもっとメジャーなメディアにおいて強烈に記憶されるようなグロさがあるけれど、はっきり言うとそこまでじゃなかったかなぁ・・・ホラー系に対するえんどうの見方が悪いのかどうかはわからないけど、ただ怖い人にとっては本当に怖い。それは人それぞれなのである。
否定
- 悪いところはほぼ無いと言えるが、強いてあげるなら広報的な部分において少しばかし気にしすぎている感が否めない。作品のテーマ自体が確かに世間一般に受け入れがたいだろう、という部分は理解できるが、「グロい」という部分に関してはそんなにグロくなかった。世に出る以上、「表現の自由的に心配」という自制心は完全に捨てて、堂々とプッシュしてもいいと思う。えんどうはそういうことに関しては非常に寛容な人間であるし、第一そうしないとレビューのしようがない。「まずはやってみる」の精神は大事ですな。
まとめ
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